「車の下から猫の悲鳴が聞こえる」
猫の保護や譲渡活動をおこなうNPO法人「ニャン友ねっとわーく北海道」(札幌市)の事務所に電話がかかってきたのは、2018年の9月8日のことだ。
その2日前、最大震度7を観測した胆振東部地震が発生。広範囲なブラックアウト(全域停電)を引き起こし、普段はネオンで輝かしいススキノも暗闇に包まれていた。
代表の勝田珠美さん(57)は、事務所にほど近い空き地に出向いた。車の下をのぞくと、宙づり状態で上半身だけが見える子猫がいた。
エンジン周辺の部品をはずすと、下半身は滑車に巻き込まれていた。滑車の反対側から後ろ脚が見え、皮一枚でつながっているようだった。
なぜ、いつからそうなったのかは正確にわからない。ただ、前夜にエンジンをかけた車の持ち主が、悲鳴を聞いた気もすると話していた。親とはぐれた子猫がぬくもりを求めて入り込んでしまったのではないか。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル